短歌・俳句・川柳を7月会報にて一般募集したところ、以下の方々から投稿がありました。
傑作、名作、迷作の数々をご紹介します。応募していただいた会員の皆様、ありがとうございました。
【短 歌】
井上 兼一 | <コロナと共に生きる> 先輩の訃報が載りし会報に思い起こせしゴルフの勇姿 |
内田 純司 |
夏の朝染井の水を手に受けて地下の泉の在りかは知らず 五位鷺の静かに翔ちて九条池雨の雫に水紋止まず 梅雨明けて水面輝く大堰川若冲の絵に老い訪れず |
大滝 義宣 |
深紅なるハマナスの花咲き競う 石炭岬に夏の香ただよう 夏の陽のきらきら光る浜辺には ハマナス風に揺れて香れる 潮騒のどどんと響く岸近く 網干す広場は磯の香に満つ 潮騒の気だるい響き海辺より 離れし後も耳朶に残れる |
白川 興一 | 知床の五胡に遊べる三世代 十四の瞳が蓮に輝く |
中村 光男 | コロナ禍を憂しと憎しと思へども二人の時を今ぞ確かむ |
森 渓水(實) |
久々の奈良で求めし小さき像吉祥天の白き微笑み *複製品でも古式微笑は佳い 洛北の貴船の細き思ひ川和泉式部の慕情思ほゆ 今日も亦寝ねがての夜に起きだして金にならざる原稿を書く |
【俳 句】
井上 兼一 | 梅雨空に歴博も又煙りたり |
片山 芳洲(芳洋) | ゆふ暮れの蜩を聴き茶を啜る |
後藤 實 |
浜名湖に小舟三艘鳥曇 お花売るテントひと張り盆の寺 秋澄むや祖父の彫りたる阿弥陀象 小春日の貨物列車の音高し |
白川 興一 | 菜園にうぐいすの声冴えわたる |
森 渓水(實) |
行く春や葉桜憩ふ谷津の里 白き花樹々を彩る夏椿 忘却と謂ふ言葉通りの今の俺 |
【狂 歌】
森 御樗栗(實) |
断捨離は俺には出来ぬ死して後宜しく頼むぞ我が女房殿 長梅雨に武漢コロナに物価高年金削られ老化激しく *良い事は一つもない 何しても欠伸居眠り中休みこれが老いなり文句有っかよ |
【川 柳】
井上 兼一 | TVではコロナと豪雨幅利かせ |
富田 純代 | 密に蜜 蜂蜜 艶蜜 賄賂蜜 |
大滝 義宣 |
惚け爺 脳と懐 過疎進み 惚け爺 今日も余命を ムダ遣い 惚け爺 骨は減ったが 皮肉増え 惚け爺 動く半分 物捜し |
森 御樗栗(實) |
これがまあ厳島かよ繁華街 *六十余年前の厳島は閑静な歴史の町であった 講釈は如何でもいいが庭は佳し *九州清水寺庭園・住職の説明諄し 楽しみも武漢コロナで丸潰れ *楽しみにしていた企画,会合も軒並み中止,延期,若しくは自粛 |