2020年9月 投稿<短歌・俳句・川柳集>

短歌・俳句・川柳を7月会報にて一般募集したところ、以下の方々から投稿がありました。
傑作、名作、迷作の数々をご紹介します。応募していただいた会員の皆様、ありがとうございました。

短 歌
井上 兼一 <コロナと共に生きる>
先輩の訃報が載りし会報に思い起こせしゴルフの勇姿
内田 純司 夏の朝染井の水を手に受けて地下の泉の在りかは知らず
五位鷺の静かにちて九条池雨の雫に水紋止まず
梅雨明けて水面輝く大堰川若冲の絵に老いおとずれず
大滝 義宣 深紅なるハマナスの花咲き競う 石炭岬に夏の香ただよう
夏の陽のきらきら光る浜辺には ハマナス風に揺れて香れる
潮騒のどどんと響く岸近く 網干す広場は磯の香に満つ
潮騒の気だるい響き海辺より 離れし後も耳朶に残れる
白川 興一 知床の五胡に遊べる三世代 十四の瞳が蓮に輝く
中村 光男 コロナ禍を憂しと憎しと思へども二人の時を今ぞ確かむ
渓水ケイスイ(實) 久々の奈良で求めしさき像吉祥天きっしょうてんの白き微笑ほほえみ  *複製品でも古式微笑は佳い
洛北の貴船の細き思ひ川和泉いずみ式部の慕情思ほゆ
今日もまたねがての夜に起きだして金にならざる原稿を書く

俳 句
井上 兼一 梅雨空に歴博も又煙りたり
片山 芳洲(芳洋) ゆふ暮れの蜩を聴き茶を啜る
後藤 實 浜名湖に小舟三艘鳥曇
お花売るテントひと張り盆の寺
秋澄むや祖父の彫りたる阿弥陀象
小春日の貨物列車の音高し
白川 興一 菜園にうぐいすの声冴えわたる
渓水ケイスイ(實) 行く春や葉桜憩ふ谷津の里
白き花樹々きぎいろどる夏椿
忘却と謂ふ言葉通りの今の俺

狂 歌
御樗栗オチョクリ(實) 断捨離は俺には出来ぬ死してのち宜しく頼むぞ我が女房殿
長梅雨に武漢コロナに物価高年金削られ老化激しく  *良い事は一つもない
何しても欠伸あくび居眠りなか休みこれが老いなり文句有っかよ

川 柳
井上 兼一 TVではコロナと豪雨幅利かせ
富田 純代 密に蜜 蜂蜜 艶蜜 賄賂蜜
大滝 義宣 惚け爺 脳と懐 過疎進み
惚け爺 今日も余命を ムダ遣い
惚け爺 骨は減ったが 皮肉増え
惚け爺 動く半分 物捜し
御樗栗オチョクリ(實) これがまあ厳島かよ繁華街 *六十余年前の厳島は閑静な歴史の町であった
講釈は如何どうでもいいが庭は佳し *九州清水寺庭園・住職の説明くど
楽しみも武漢コロナで丸潰れ *楽しみにしていた企画,会合も軒並み中止,延期,若しくは自粛


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