短歌・俳句・川柳を7月会報にて一般募集したところ、以下の方々から投稿がありました。
傑作、名作、迷作の数々をご紹介いたします。応募していただいた会員の皆様、ありがとうございました。
【短 歌】
安倍 敬祐 | <亡き友を偲んで・・・> 亡き友と共に歩いた里山で 在りし日偲び一人おにぎり 亡き友と差しつ差された居酒屋で 在りし日偲び呑む一人酒 亡き友と競い唄った流行歌 在りし日偲び一人カラオケ |
井上 兼一 | 窓外にノルマンディの霧晴れて モンサンミッシェル突如現る |
大滝 義宣 |
ごつい指父の手見れば偽らぬ 畑仕事で生きたるあかし 不眠症母の血をひく貰いもの 眠れぬ夜を故郷偲びぬ 過疎の町父母の生家が遠くなる 路線のバスが行くたびに減り 父母逝きて月日はゆっくり遠ざかり 相まみえる日次第に近づく |
森 渓水[旅人改め](實) |
知らざりき親友は逝きしか幾星霜絆偲びて一人断腸 咳払い一つで心通じ合う親友身罷りぬ断りも無く 昨夜注しゝ夜の目薬またも注す二十四時間斯くも短き |
【狂 歌】
森 御樗栗(實) |
佐賀牛も鮑も味は良かりしが入れ歯で噛めぬ老いの哀しさ *嬉野温泉 今日も亦ヨタヨタ歩きの五千余歩頑張リズムの俺は亀さん *兎さんのようにはいかないけれど・・・ 惚け婆が惚けた爺を責め立てる婆活き活き爺しょんぼり |
【俳 句】
井上 兼一 | 去年よりは十度も低き大暑かな |
後藤 實 |
黒猫の横切る小道柿若葉 雨の打つ額紫陽花の揺らぎゐる おはぐろのゆるり飛びをる川の潭 土手に座す父と少年夏休み 青田へとサックスの音渡りくる |
森 渓水[旅人改め](實) |
病床の蘆花も愛せし湯の香り *徳富蘆花は伊香保を愛し此の地で没した 秋雨も亦風情なり鞍馬山 *京都 再訪の街並み嬉し美観地区 *倉敷 |
【川 柳】
大滝 義宣 |
呆け爺 目には蚊が棲み 耳に蝉 呆け爺 年号気になる 召兵令 *昭・平・令 呆け爺 妻と毒の字 書き違え 呆け爺 三途の川を ナビに訊く |
森 御樗栗(實) |
信長と縁無き移設の本能寺 *京都・信長が殺された本能寺は別の場所 松陰より和菓子の美味き萩の町 *山口・萩 入水せしお吉で稼ぐ宝福寺 *伊豆・下田、唐人お吉の墓有り |