2019年10月 投稿<短歌・俳句・川柳集>

短歌・俳句・川柳を7月会報にて一般募集したところ、以下の方々から投稿がありました。
傑作、名作、迷作の数々をご紹介いたします。応募していただいた会員の皆様、ありがとうございました。

短 歌
安倍 敬祐 <亡き友を偲んで・・・>
亡き友と共に歩いた里山で 在りし日偲び一人おにぎり
亡き友と差しつ差された居酒屋で 在りし日偲び呑む一人酒
亡き友と競い唄った流行歌はやりうた 在りし日偲び一人カラオケ
井上 兼一 窓外にノルマンディの霧晴れて モンサンミッシェル突如現る
大滝 義宣 ごつい指父の手見れば偽らぬ 畑仕事で生きたるあかし
不眠症母の血をひく貰いもの 眠れぬ夜を故郷偲びぬ
過疎の町父母の生家が遠くなる 路線のバスが行くたびに減り
父母逝きて月日はゆっくり遠ざかり 相まみえる日次第に近づく
渓水けいすい[旅人たびびと改め](實) 知らざりき親友ともは逝きしか幾星霜きずなしのびて一人断腸
咳払い一つで心通じ合う親友とも身罷みまかりぬ断りも無く
昨夜ゆうべしゝ夜の目薬またも注す二十四時間斯くも短き

狂 歌
御樗栗オチョクリ(實) 佐賀牛もあわびも味は良かりしが入れ歯で噛めぬ老いの哀しさ *嬉野温泉
今日も亦ヨタヨタ歩きの五千余歩頑張リズムの俺は亀さん
                      *兎さんのようにはいかないけれど・・・
ばあが惚けたぢぢいを責め立てるばばあ活き活きぢぢいしょんぼり

俳 句
井上 兼一 去年こぞよりは十度も低き大暑かな
後藤 實 黒猫の横切る小道柿若葉
雨の打つ額紫陽花の揺らぎゐる
おはぐろのゆるり飛びをる川の潭
土手に座す父と少年夏休み
青田へとサックスの音渡りくる
渓水けいすい[旅人たびびと改め](實) 病床の蘆花も愛せし湯の香り *徳富蘆花は伊香保を愛し此の地で没した
秋雨あきさめまた風情ふぜいなり鞍馬山 *京都
再訪の街並み嬉し美観地区 *倉敷

川 柳
大滝 義宣 呆け爺 目には蚊が棲み 耳に蝉
呆け爺 年号気になる 召兵令 *昭・平・令
呆け爺 妻と毒の字 書き違え
呆け爺 三途の川を ナビに訊く
御樗栗オチョクリ(實) 信長と縁無き移設の本能寺 *京都・信長が殺された本能寺は別の場所
松陰より和菓子の美味き萩の町 *山口・萩
入水じゅすいせしおきちで稼ぐ宝福寺 *伊豆・下田、唐人お吉の墓有り


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