2018年9月 投稿<短歌・俳句・川柳集>

短歌・俳句・川柳を7月会報にて一般募集したところ、以下の方々から投稿がありました。
傑作、名作、迷作の数々をご紹介いたします。応募していただいた会員の皆様、ありがとうございました。

短 歌
安倍 敬祐 台風かぜ去りし夜明けの空に残る月 昇る朝陽に「そろそろ秋か?」
台風かぜ去りし樹林こだちに響く蝉の声 日々に静まり夏を惜しむか
台風かぜ去りし碧空そらを駆け抜くジェット機の 引く白煙いと細く秋を告げるか
井上 兼一 ふるさとの獅子舞踊り見に行けば同級生の老いし顔あり
大滝 義宣 <春、善福寺川緑地公園をめぐりて>
散歩とは散る花眺めて歩くこと花吹雪あり花筏あり
と別れ花いさぎよし風に乗り川を下りて行く先問わず
花びらは風に任せて散って行く我が来し方の軽きさま似て
桜見る想い年ごと深まりて春の儚き一会いちえいとしむ
中村 光男 唐突に分かれるという人のあり 赤い惑星大接近の夜
旅人たびびと(實) 美しきき国なりき日本は秋篠寺あきしのでらの苔の輝き
若き日に父と訪ねし石舞台六十年経て老妻と立つ
さくとも繁みを分けて五重塔再度また出会いの何か嬉しく *室生寺

狂 歌
御樗栗オチョクリ(實) 船弁のおせち料理は美味うまけれど全部は喰へぬ老いの胃袋 *清水港クルーズ
マッサンもリタもフォックスも居らねども林檎ジュースは美味うまかりき
                          *余市蒸留所にて
けど全く芽が出ず俺みたい草臥くたびれ儲けのヴェランダ菜園

俳 句
井上 兼一 ひこばえの稲刈り後の青田かな
後藤 實 蝉時雨高温警報出でし朝
座敷より見ゆる山並雲の峰
泥鰌鍋男ばかりの昼の酒
旅人たびびと(實) 首塚に入鹿の無念思ひやる *飛鳥寺
津和野町初めてなのに懐かしき
何もかも面倒くさきや戻り梅雨

川 柳
大滝 義宣 呆け爺 顔と脳との シワ逆転
呆け爺 悩み多いが 酒旨し
呆け爺 妻の叱言こごとも 修行なり
呆け爺 妻に迫られ 断車離す
御樗栗オチョクリ(實) 渋滞で紫式部待ちぼうけ *渋滞で石山寺カット
河童かっぱ雨合羽あまがっぱ橋に化けにけり *上高地突然の豪雨
動かざる郡上踊りは石の像


このページの先頭へ
投稿〜〜短歌・俳句・川柳集〜〜に戻る